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空っぽの時間

本の感想や日常の記憶

++迷い人のモノローグ



雪乃 紗衣
彩雲国物語―花は紫宮に咲く

第3弾。
王様のがんばりで法制度が整い、初の女性官吏として採用が決定された秀麗。
しかも成績が第3位と、異例のことに、驚きずくめの朝廷。そして、村の人も秀麗の出世にとまどい、気持ちが離れてしまって…。
前途多難なまま、朝廷に単身乗り込む秀麗だが、上司の新人いびりや、同僚の嫌がらせなどを受けつつ、しかも王様の求愛まで受けつつ、根性で乗り切っていくのだった。

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仕事量のすごさと、それに立ち向かう秀麗には、大変応援してやりたくなる気持ちでいっぱいなのですが、なんなんだあの朝廷の官吏の嫌がらせは…あんた子供ですかといいたくなるくらいあきれます。
つーか、あんなのが国家公務員だったら、国つぶれます(^^;
まぁ、幹部が優秀ならそれでいいのだろうか…本の中ではね。
陰謀(?)の裏にいた悪役も、ちょっと単純すぎて悲しい。
でも、どんどん上手くなってますよね。文章も読みやすくて、やはり会話が楽しいので、気持ちよく読めてしまいます。
次は舞台が違う場所に移るので、新しい登場人物も楽しみです。


雪乃 紗衣
彩雲国物語―黄金の約束


受賞作の第2弾。
暑い夏になった彩雲国。
暑さで、官吏たちが次々と倒れていく中、今度の秀麗は、朝廷の雑用係りにとスカウトが。
しかしそこは女人禁制。叶わない夢と知りつつも、官吏の仕事にあこがれていた秀麗は、正体をさとられないようにして、働き始める。

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前回よりも、暗躍的なことが少なかった分、本筋もしっかりしてて読みやすく、面白かった。
かけあいのような、楽しい会話もいいですね! それぞれが魅力的で。
まぁ、どこかで美形のインフレとか聞いてて、なるほどと笑ったけどvvvvv、ちゃんとしんみりとできるシーンもあったりして、お上手です。


雪乃 紗衣
彩雲国物語―はじまりの風は紅く

ビーンズ文庫の、大賞受賞作。中華風ファンタジー。
貧乏だけど、貴族の姫様である秀麗が、ある日、ボンクラの王様の教育係にと任命されて、期間限定の奥様になるお話。

すごく可愛らしいお話でした。思わせぶりに陰謀が進んでいくのですが、こそばゆい感じにお決まりのパターンぽくもあり、王宮に美系が集うお話になってました(笑)。ちょっと詰め込みすぎた感もあり。
でも悪くはないです。なにより、キャラクターが魅力的に描かれてますね。特に王様がいい感じ。素直でとても好感の持てる人物になっているのが良かったです。
突っ込みどころとしては、周りの武官がみんな王様に打ち解けすぎ…(笑)。なんだか威厳なんてぜんぜんなし。


ニコラス スパークス, Nicholas Sparks, 雨沢 泰
きみに読む物語

[あらすじ(Bookデータより)]
わたしは、ありふれた男だ。でも、わたしには全身全霊をかたむけて愛する女性がいる。いつでも、それだけで十分だった。10代の夏にアリーと恋に落ちたときから、彼女と離れて暮らしていた辛い日々も、その後の長く幸福な結婚生活の間も、いつでも彼女だけを愛しつづけてきた。その気持ちは、彼女が病気になって記憶を失ってしまった今でも変わることはない。だから、二人の愛をアリーが思いだすまで、毎日わたしは、その軌跡を綴ったノートを彼女に読みきかせる…永遠に一人の女性を愛する男性の姿を、詩的な筆致で綴った究極の純愛小説。
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洋書の苦手な私が先日から読めないと弱音を吐いていた物語(^^;
ちょっと速読気味に読破しました。苦手だ…と思ったのは文章以外にも、内容もあったのかもしれない。これでもかと「愛」が描かれてます。

しかしまぁ、純愛っていうのかなこれ。
婚約中のアリーさん、あと3ヶ月で結婚というときに、元彼に会いに行って、しかも寝まくってます。俗っぽい書き方をすればね。
これが禁断のひと時っぽくてよいのかもしれませんが、なんかもモヤモヤしますね~。婚約者のロンのことも「別の意味で好き」とか言っておりますし。それにノアとアリーの関係は、もう完全に2人の世界で、相手のいい部分しか見えてない。

後半のつらい病気についての出来事も、ノアの一途な想いにより、81歳の老人がひたすら死と愛について考え、最後までアリーラブって感じです。
たしかに手紙に綴られた愛に対して、すごくジーンとくるところもあったのですが、私にはやっぱ体質的にこういう話は小説で読むにはかなり抵抗があったのでした。

でも、一生をかけても良いと思えるような情熱的な恋の経験のある方にはおススメかもしれません。


橘香 いくの
結婚式は大騒ぎ!―コラリーとフェリックスのハネムーン・ミステリー

コラフェリ短編集。3話収録。
アルカイスから戻ってきた本編の後から、新婚旅行に出かける前に起こった出来事や、彼らが11歳当時の話、そして、シュシナックが探偵をしていた時の話など。

以前の短編に比べると、コラリーの無謀さもなく、フェリックスの活躍も地味で、なんかそれなりにまとまってる感じかな。豚の突っ込みは面白かったですが(><)。シュシナック探偵も、なんかこの人、女運悪いですよね…いや、本人が気にしないなら、いたって良いのです。


成田 良悟
バッカーノ!1932―Drug & The Dominos

第3弾。
今回は、ガンドールファミリーの抗争のお話。闇で売りさばかれる麻薬をめぐって、情報屋が提供する話とともに錯綜していきます。
1巻に出てきた人の血縁だとか、2巻に出てきた人の血縁だとか、ものすごい偶然で人が繋がっていくあたり、登場人物のすごさがちょっと都合よいんですけど。まぁ、不思議な縁だと思えば楽しいかな。
あと、ラックさん、ファミリーのボスなのに、すごくお人よしすぎ。


成田 良悟
バッカーノ!1931 鈍行編―The Grand Punk Railroad



成田 良悟
バッカーノ!1931 特急編―The Grand Punk Railroad

受賞作の続きで前後編。テロリスト、ギャング、殺人狂集団、不死者、強盗カップル、暗殺者。それぞれがそれぞれの事情を重ねて列車に乗り込む。豪華列車、フライング・プッシーフット号は伝説の怪物『線路の影をなぞる者』の噂を乗せながら発車した…。
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電車の中で起こった騒ぎを時間軸をずらして書かれていました。まぁ、上手なフェイクですね。面白かったです。ただ、小説が上手いっていうより、シナリオライター的な感じがやっぱりします。それは主人公がはっきりしてなくて、登場人物が多いせいもあるだろうけど。
あと、それぞれがそれぞれ常識離れしているので、なんだかスリルがあまり感じられないのも難点かな。危ない目に遭っても誰も死ぬ気がしない…。ただ、馬鹿騒ぎを楽しむ分には良いとおもいます。
061028mint

買い物しにぶらぶら神戸まで出かけてきた。
ついでに寄った、ミント神戸はまだまだ人が多かった。
最初はそんなこともなく、スムーズに入って、タワレコで試聴しまくってからCD買って外に出たのだけど、外では入場制限をされててびっくりした。
写真はミント神戸で買った大福。
そう、「ミント大福」。
味…は、保障しない(><)。話のネタに食べるべし。
まぁ、まずくないけど、香りが和菓子とマッチしない…。



成田 良悟
バッカーノ!―The Rolling Bootlegs

電撃文庫の金賞受賞作品。以前書評サイトさんで好評だったので、ちょっと気になっていたもの。
「不死のお酒をめぐっての騒動」ということだったので、お酒の争奪戦を繰り広げる話なのかな?と思っていたのですが、そういうお話じゃありませんでした(笑)。「お酒をめぐって周辺で起こる不思議な偶然の話」って感じだったです。
とにかく、最初のつかみがいいです。悪魔のお話にかなりワクワクできまして、どうなるんだろうと強く興味が持てました。

ただ、ラストのオチはここまで偶然が重なりすぎると逆にしらけるというか…なんか無駄な偶然も多いですね。プロローグとエピローグも必要なのかな?という思いもしました。
でも、ストーリーテラーとしては面白い。アニメの原作っぽい感じで場面の切り替わりも楽しかったです。
061022puzzle

半年前にも開催されていた絵画展へ行ってきました。
KAGAYAさんの新作を見に。
写真のは、前回見た絵の中で一番気に入ったものをジグゾーパズルで購入したもの(笑)。ちなみに1000ピース。絵は高すぎて買えない。
『秋の軽便鉄道』とかいうタイトルだったかな。
今は玄関に飾っているので、こんな構図。

これは、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をモチーフにしたシリーズで、その中で一番気に入ったものだったのだけど、絵画展では、今回は新たに2作品が加わっていました。スタッフによると、この銀河鉄道シリーズは、4年前に出来てからずっと新作はなかったそうなんだけど、今年になって、銀河鉄道のプラネタリウムを企画したことで、作品が2つ増えたらしいです。
でもやっぱり私はその新作より、この構図が一番好きかな。4年前の作品と知ってびっくりしたけど、この人のパズル作品は、そういえば、かれこれ10年以上前からちょこちょこ作っておりましたね~。

あと、絵画展では一番最新作の『ユニコーン』が展示されていて、大きな絵で迫力があったのですが、もうすでに3人の人が売約済みになっててびっくりした。値段は書いてなかったが、ローン方式が書いてあって、59回払いってのが…私には計算できない(^^;

とても熱心なスタッフさんがいたので、買う気がなかったため、逃げ腰だった私は、いろんなことを口実に逃げてきた(笑)。
でもまたあったら行ってみたいです。
あと、プラネタリウムも、来年から全国回るみたいだから、関西であったら行きたいな。